すみっこを探そう―邦坊の落款―
| 学芸室より

作品を観察すると「邦坊画」「於一空庵」という署名や制作年代だけでなく様々な落款(らっかん)を見つけることができます。落款は、真贋を示す証拠というよりも作品を引き立たせるデザインとしても魅力を持っており、邦坊が使っていた落款は10種類以上あります。「坊」や「邦坊」がほとんどですが、心の拠り所として大切にしていた「一空庵」(琴平にあったアトリエの名前)の銘もあります。ときには、わざと落款を重ねて押印している作品もあります。試作の絵画かもしれませんが、画面のなかで遊びを楽しんでいるようです。ぜひ作品の前に立った時は、隅っこにも注目していただければと思います!


すみっこを探してみると…

「邦坊」「坊」のダブル押し

「邦坊」「一空ノ人」