思い出の家庭カルタ！

先日、さぬき市の方から「和田邦坊画伯が作ったカルタはありませんか？小さい頃に遊んだ記憶があって。いくつか思い出せる読札もあるのですが・・・」というお問い合わせがありました。美術館は現物の収蔵品がなかったのですが、データは持っていたので企画展で紹介したカルタの原稿をお渡して対応。すると、予想以上にとても喜んでいただきました。Mさんによると「亡くなった兄にも聞いたことがあるのですが、確か昭和30年頃に大川郡のPTAが配布してくれたとものだとか・・・このように全種類の読札・絵札にまた会えて嬉しいです！」「家庭カルタということで、教訓のような文言が読札にあって。ただの遊びのカルタではなかったです。だから、遊んでいても父親からも怒られたことがなかったな～。」など、ニコニコしながら思い出話も教えてくれました。70年以上前のことになるそうですが、いくつか読み札も諳んじてくださり私たちも「おおお～！」と感動しました。邦坊画伯が子供用の玩具に関わっていたことはあまり他の事例はありませんが、このように大人になっても「楽しかったな～」と言ってもらえるなんて作者冥利に尽きることでしょう。きっと邦坊さんもあの世でにっこり微笑んでいると思います！

語り継ぎたい邦坊作品

Ｍさんから帰り際に「これは孫にも紹介したいと思います。美術館では、ぜひカルタを復刻してくださいね！」と語気を強めに言われてしまいました（笑）確かに今の私たちの心にも響く面白いカルタです。販売したら話題になることでしょう！ただ美術館は、厳しい運営状況すぎるのでオリジナルグッズの制作は難しいところ。つきまして「おとぼけ人形」のように復刻プロジェクトの声がかかることを願うばかりです。