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幻のパッケージ君不老(クンプーロー)について

中谷弘氏のご家族(長女)真田さん(三男)中谷さん 

<幻のパッケージ君不老・クンプロー>

先日(2025/08/23)君不老(クンプーロー)にゆかりあるご家族が美術館にご来館くださいました。君不老は、琴平町で製造していた滋養強壮ドリンク(養命酒のような薬酒)になり邦坊画伯がラベルデザインなどを手掛けています。様々な写真集にも取り上げられていた幻のパッケージでしたが、製造者などについてはあまり詳しく分かっていませんでした。しかし、このたび君不老を製造していた中谷弘氏のご家族から大切な思い出を共有いただき徐々に邦坊画伯との関係性も明らかになってきました。


君不老の開発者・中谷弘氏 ※遺族提供※

貴重な情報や大切な思い出の提供を受けて美術館の研究活動が進んでいます。2025年も寄贈をたくさんいただきました。今後も皆さんのご厚意に応えられるよう作品と向き合っていきたいと思います。

新しく寄贈いただいた資料


販売店に掲示してポスター

商品解説の栞

企画展ではご紹介できませんでしたが、このたび君不老関連の資料を寄贈いただきました。白色のポスターは薬局に掲示していた販促ツールです。薬酒扱いになる君不老は、主に薬局で販売していた商品でした(アルコールが入っているので子供はNGの飲み物)。また「枸杞の話」とある黒色の栞は、君不老をより美味しくする飲み方を紹介したレシピが記されています。リキュールやジン、炭酸で割る飲み方もあれば、オレンジやレモン、砂糖を入れた甘いカクテル風の飲み方など、バリエーションいっぱいの君不老の楽しみ方を紹介しています。

琴平生まれの薬酒・君不老とは・・・


左)未開封の君不老 右)包装紙原画

君不老(クンプーロー)
昭和33年(1958)中一製薬が販売していた薬酒。養命酒のような滋養強壮酒になり、琴平で採れた薬草と地酒を配合したオリジナルの薬酒として販売されていた。同社の中谷弘氏が新商品として開発し、和田邦坊にラベルのデザインを依頼したという。商品は、牛乳瓶よりもやや小ぶりの陶器の瓶に邦坊がデザインした商品ラベルを添付している。また蓋の部分はアルミで封をした上から帽子のようにイグサをかぶせ、さらに藁紐で括り付けている。手間暇をかけた包装は、秘伝の薬酒のような演出である。この特徴的な形状とデザインは、日本を代表するパッケージコレクターの岡秀行氏も注目し、デザイン集を刊行するたびに君不老を取り上げている。健康と長寿に強く関心を持っていた邦坊も贔屓にしていたようで東京時代の上司にも君不老を贈答していた。