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君不老如花のポスターと長寿手帳

<和田邦坊画業館の様子>
夏休みも始まり美術館も少し賑わっています。なかなか暑すぎて外出も危険な日々が続いていますが、みなさまご来館いただきましてありがとうございます。先日は開館と同時に大阪からの旅行者のお客様が来館。そのあと、海外からのファミリー(香川県ゆかりの方々)、高松から来たという御一行様、静岡県からのお客さんなどで賑わう時間がありました。

展示室では長寿手帳を手にしながら観覧しているお客さんがいたので記念撮影させていただいました。その様子を見た周りのお客さんからも「これだよね、私も持っているわ」と手帳を掲げてくれて、またひと盛り上がり。お客さんと話しながら作品をみることで改めて香川に根付くデザインだなあと思いました。

長寿手帳の中身・・・


香川県が発行する「長寿手帳」。中央にある言葉は「君老不如花(きみおいずはなのごとし)」と書いており、邦坊の文字になります。いつまでも花のように美しく若々しくあってほしいという願いを込めた言葉です。長寿手帳は、昭和47年(1972)香川県が独自に企画した福祉手帳で、現在も同じ表紙が採用されています。

▼香川県公式HP
高齢者優遇措置施設・長寿手帳のお知らせ
https://www.pref.kagawa.lg.jp/choju/techo-daigaku/wfssqo160912152905.html
交付は県庁ではなく各市町の窓口にお問い合わせすればOK!「長寿手帳のことは知っていたけど老人扱いされる感じで嫌だった。でも和田邦坊さんのデザインだと知ってから65歳になるのも悪くないかなと思ってる」という方もいました。そうそう、知ると愛着が湧きますよね・・・

ページをめくると・・・


見開きに解説あり!

昭和60年代の手帳をめくると・・・

銭湯の入浴券もついてた時代も!

初期の手帳では、写真付きの身分証明書、健康の話、応急手当の方法、民謡、老人クラブの歌、香川ニコニコ音頭の歌詞などが掲載されています。また「健康で明るく楽しい毎日を送ってほしい」という趣旨のもと生活に役立つ情報など収録していました。現在も65歳以上の県民を対象に交付している手帳(申請すると入手にすることができます)ですが、手帳があると高松市内の文化施設が無料(もしくは割引)になる特典があり、知る人ぞ知るアイテムです。邦坊がデザインした部分は、表紙の文字になります(色や配置は竹内守善氏が担当したそうです)。どっしりとした文字は、邦坊らしさを感じる字体です。くずし文字が達筆すぎて何と書かれているのか分からないという声も聴きますが、安心してください!見開きページに読み方とともに、用語解説があります。個人的に「君不老如花」を言葉として見ると難解用語に感じますが「君老いず、花のごとし」と口に出してみるとスッと心に入ってくるような心地になります。おまじないのような言葉だと思って、ぜひお試しください。

楽しい老後のための十訓

1、姿も若く、気も若く・・・(気持)
2、くよくよするな、腹立てな・・・(悟)
3、常に勉強、夢をもて・・・(希望)
4、歩け、働け、大気も薬・・・(運動)
5、着物も、身体も、清潔に・・・(衣服)
6、好ききらいなく、腹八分・・・(食事)
7、きちんと整頓、住みよい部屋・・・(住居)
8、適度に休養、無理するな・・・(休養)
9、打ち込む娯楽と趣味をもて・・・(趣味)
10、話せる老人、世話・奉仕・・・(奉仕)

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最初のページには「楽しい老後のための十訓」が掲載されています。
全世代で参考にしたい十訓ですね。
一番気になるのは「適度に休養、無理するな」でしょうか。
また「歩け、働け、大気も薬」もいいですね。