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邦坊作品で繋がる思い出 新収蔵作品「家庭カルタ」について

邦坊作品で繋がる思い出
新収蔵作品「家庭カルタ」について


当館は、国内随一の和田邦坊コレクションを収蔵している美術館ということで画伯に関するお問い合わせをいただきます。2023年の春先には「子供のころに遊んだカルタがあって、確か邦坊さんの絵だったはず。読札も少し覚えていますがご存じないですか?」という相談がありました。すぐに「家庭カルタ」のことだと分かったのですが、美術館は実物のカルタの所蔵がなかったので複写物をお渡しました。実物がないことは残念がられていましたが、48枚の絵札と読札との再会にとても喜んでもらえました。美術館も嬉しいお手伝いができて良かったです。

続く・繋がるご縁・・・



後日この出来事をブログで紹介したところ、また新しいご縁がありました。それが今回の新収蔵資料となる「家庭カルタ」です。ブログを見つけてくれた方は、カルタの制作者として名前を連ねていた大西脩二氏のご家族でした。大西氏は、斯道学園や丸亀児童相談所の所長などを歴任した教育者として活躍した人物。略歴を調べてみると明治35年生まれ。邦坊とも年齢が近く、琴平町出身と分かりました。どうして邦坊が児童向けのカルタに関わっていたのか少し不思議に感じていましたが、どうやら同郷の大西氏との関係がきっかけになっていたようです。

企画展「さぬき歳時記」で公開しています


ご家族と遠路はるばるご来館ありがとうございました!

カルタの制作資料も寄贈いただきました

今回、ご家族から「たまたま手元にある「家庭カルタ」のことを検索してみたところ美術館のブログをみつけました。父が手掛けたカルタを懐かしんでくれた人がいて嬉しかったです。県外に住んでいたので邦坊さんという画家と仕事をしていたことも初めて知りました。びっくりです!」というお電話をいただきました。思い出の橋渡しができたことは美術館冥利に尽きること。私たちもカルタをきっかけにして双方の大切な思い出に触れることができ、とても暖かい気持ちになりました。そして、このご縁をきっかけに大切なカルタを寄贈いただくことになりました。とても貴重な資料を頂くことになりましたが、邦坊の作品としての魅力や面白さだけでなく様々な人の思い出に邦坊作品が生きていることもあわせて伝えていきたいと考えています。

<追伸>最初にお問い合わせいただいたMさんにも事後報告したところ、とても感激されていました。私たちもそれぞれの感激の言葉に胸がいっぱです。2023年は「邦坊さんに弟子がいた!」の発見もあり、美術館がここにあって良かったと言われる活動が続きました。願わくば、これからも嬉しい出会いがありますように。皆さんの期待に応えられよう、精進して参ります!

企画展のご案内


和田邦坊画業館コレクション展vol.7 
さぬき歳時記-邦坊が描く故郷の風景―
2023年12月23日(土)~2024年3月18日(月)
※1/1(火)1/2(水)は特別開館
休館日 火曜日・水曜日・年末年始(12/30、12/31、1/1)

https://kyuman.art/event/exhibition/entry-717.html

歳時記ということで季節の花々に注目した展示です。絵画だけでなく邦坊画伯が手掛けた本やデザインもご紹介しています。柔らかな春の兆しを感じてもらえるような作品を並べています。ぜひお越しください。