邦坊が描く香川の風景―慰問葉書
| 作品・資料紹介
戦時中に描く故郷
絵葉書は、香川県から依頼を受けた慰問葉書として制作しています。戦地にいる兵隊あてに送る絵葉書は、栗林公園、琴平、丸亀城の観光名所だけでなく、かつて栄えていた坂出の塩田も題材にしています。また、金刀比羅宮の大門のような定番の場所だけでなく、祓川(土器川)からみた大鳥居越しの象頭山を描くなど、自分が暮らす場所でモチーフを決めて描いていたことが分かります。邦坊は、厭戦の人といわれていますが、その時代を生きていくために受けた仕事もあったようです。ただ、柔らかな描線をみても戦争を鼓舞するような画風ではなく、故郷を想う香川県民として優しい眼差しを感じます。
展覧会INFO
企画展 和田邦坊画業館コレクション展vol.4
讃岐の画家、和田邦坊 第2部
2021年8月12日(木)~11月14日(日)
休館日 火曜日・水曜日
https://kyuman.art/event/exhibition/entry-370.html
2021年8月21日(土)14:00のミュージアムトークは中止いたします。