和田邦坊《高松おどり》絵葉書原画
| 作品・資料紹介
和田邦坊《高松おどり》絵葉書原画
コロナ禍で中止していた「高松まつり」が今年から再開されます。「高松まつり」とは、毎年お盆の時期に開催されるイベントです。昭和39年(1964)「高松商工みなとまつり」が前身になり、現在の形となりました。主な行事は、花火大会、演芸ショー、浴衣グランプリ、総踊り等々。「よさこい」や「阿波踊り」のような歴史はありませんが、夏の一大イベントとしていつも楽しみにしています。最終日は「一合まいた」の盆踊り唄に合わせた市中総踊りがあります。現代風に合わせたPOPバージョンもあるのですが、邦坊画伯も昔を偲んだような盆踊りの作品を描いています。こちらは絵葉書の原画となる1枚。いまの「高松まつり」とは違ってしっぽり系ですね。浴衣の柄は、緑の市松文様(←ちょっと流行りのアニメを思い出しました)や涼やかな水色の棒縞。ふわっと手ぬぐいを頭にかぶせて口元で咥える所作は、女性たちの色気を感じます。小さな円陣を組んで踊る姿は賑やかな総踊りにはみえませんが、お盆ならではの不思議な夜の夢のような雰囲気が伝わってきます。