季節の絵葉書コレクション<夏>
ポストカードコレクション
2020年度は、琴平高校の学生たちと和田邦坊がデザインした絵葉書を整理しました。絵葉書の種類は、十二支の絵柄が楽しい年賀状、寒中見舞い、暑中見舞い、残暑見舞い、観光絵葉書などがあります。季節の絵葉書は、邦坊がプロデュースを手掛けた店舗などが顧客に送る挨拶状として作られています。
絵に添える文字・言葉・俳句のことを賛といいますが、邦坊が手掛けた暑中見舞いの葉書をみると
●夕立の 裏を見せたる 峠かな
●人来たら 蛙となれよ 冷し瓜
●萍の(うきくさの) 花よ来い ~ 爺が茶屋
など江戸時代の俳人・小林一茶の句が添えられています。
邦坊は賛に使う言葉や漢詩を辞典を読みながら選んでいたようで、
旧蔵品には使い込まれた『一茶名句集』『一茶選集』『和訓略解禅林句集』があります。
辞書を見ると、書き込みはもちろんのこと直筆のメモ書きも残っていました。
これらの旧蔵品をみると、文字に書き起こしながら賛を吟味していた様子が分かります。
おまけ
季節外れではありますが、展覧会に関係するグリーティングカードもご紹介!
邦坊は、親交があった金子正則知事から依頼を受けてクリスマスカードも制作しています。ただ、これは新年の挨拶状も兼ねたグリーティングカードということで、サンタクロースやもみの木は登場しておらず、毎年、香川の風景・風物詩を版画で仕上げています。香川で香川を描く、邦坊画伯のこだわりを感じる作品です。
ちなみに、↑のグリーティングカードは、展覧会のちらし↓のメインビジュアルに選んだポスターと同じ画題です。連絡船、屋島、玉藻城。そして、赤と青の配色。黒丸の意匠は、邦坊のお気に入りアイテムだったことが分かります。邦坊らしい、いいデザインですね。ぜひ絵画やポスターだけでなくポストカードの《瀬戸の曙》も展示室でお楽しみください。
展覧会INFO
和田邦坊画業館コレクション展vol.4
讃岐の画家、和田邦坊 第1部 2021年5月1日(土)~7月25日(日)
https://kyuman.art/event/exhibition/entry-335.html