いつかの、誰かのために
| 学芸室より
展覧会は臨時閉室していますが、なかの学芸員はごぞごぞと今日も働いています。
「準備に準備を重ねた展覧会が中止だなんて・・・」「イベントを一度も開催できなかった」「連休中の休館は辛い」など、無念さを感じるところもありますが、安心と安全が確保された文化活動を目指して、皆さんの「おうち時間」を応援したいと思います。
毎日が新発見?!美術館のお仕事
さて、コロナを不安に感じつつも、いま取り組んでいることは・・・資料の整理!
時間とスペースがあるので思う存分に資料を広げています。
単純作業になるので、その日その日で仕事を変えていますが、今日は新聞や雑誌の切り抜きを整理しました。
和田邦坊の旧蔵資料(自宅で保管されていたもの)として長らく眠っていた資料を開梱!
まだ着手したばかりですが、おそらく500点を越える点数になりそうです。
当館は( まだ整理の見通しが立たず) 絵画の収蔵リストさえできていません。展覧会や調査をきっかけにデザイン関係の原画も整理していますが、資料も作品も増える一方。本来であれば、調査したものから順番に報告書等でリストを公開すべきですがそれもなかなか難しく・・・。つきまして、できるだけHPのブログを利用して少しずつ公開していきたいと思います。いま取り組んでいる作業は、すぐになにか形になるものではなく、ただただ整理という地味な仕事です。収蔵品の調査は、美術館にとっても必要な作業ですが、未来にモノを繋げている大事な時間だと思って取り組んでいます。
資料整理は、未来へのバトン
いつかの、だれかのために
(資料価値を見極め)残すべきものを残して
(誰が見ても分かるように)美しく整理して
(しかるべきツールで)発信・公開さえしていれば
この作業は報われる・・・はず!
私自身も先人たちの成果に助けてもらいながら研究活動を続けてきました。
そのバトンを繋ぐささやかな一助となることを願って、今日も明日も頑張ります。