邦坊さんのポスターカラー
| 作品・資料紹介
コロナの影響を受けながら美術館は開館しております。去年と比べると入館者数は減少傾向ではありますが、どうぞ来館についてはご無理のないようにしてください。文化活動は、生活に必要不可欠な存在ですが今でなくても大丈夫。企画展「春かすみ・夏の夜風」は、前期だけでなく後期もあります!
色とりどりのポスターカラー
展覧会では初公開資料として画材道具を一堂に展示していますが、これらはコレクションの一部に過ぎずまだまだ果てしない数の画材道具が眠っています。一度資料の調査を始めると、中途半端に終わらせることができないので今日も時間と数を決めてコツコツ整理。(良くも悪くもいまの社会情勢のおかげで調査の時間ができました)
今日は、ポスターカラーを調査。色とりどりの色が揃っていましたが、青系やゴールド系が多くありました。同じ場所(朱塗りの盆に置いていた資料一括)にあったので、おそらく色別に置く場所を決めていたようです。
ポスターカラーで気づいたこと
いまのところ、ポスターカラーに関してはチューブタイプ(11ml)のものは見当たらず、ほとんどビンタイプばかりです。大きさは標準サイズが多く、使用頻度が多いブラックやブルーについては特大サイズのものを使っていました。また、ブランド別にみるとTURNER(ターナー)やBUMPODO(文房堂)が占めています。
邦坊は、金箔や銀箔も使っていましたが、ポスターカラーもゴールドやシルバーを揃えていました。また、日本画の顔料と同じ感覚なのかもしれませんが、青色もコバルトブルーの1色だけでなく、ターコイズブルー、プルシャンブル―など系統が同じ色でも様々な種類を使っていたことが分かります。
ちなみに、邦坊は人名辞典のなかでは「日本画家」という肩書で紹介されていますが、岩絵の具のような顔料だけでなく、油性漆塗料なども使いこなす画家でした。よく使っていた黒に関しては、ポスターカラーと墨をブレンドしていたという話も伝わっています。プライスシールや領収書をみると、ほとんどの画材道具は丹青堂(大阪)と成豊堂(高松)で購入しています。それぞれ今も昔も変わらず絵描きの制作を支える老舗の画材商です。
成豊堂(ナルホド) https://twitter.com/naruhodo5941
高松高校や工芸高校の近くにある文具・画材のお店。
子供の頃、よく画用紙や包装紙を買いに行っていたので、親近感が沸々と・・・。
美術部員ならずとも創作意欲を掻き立てるお店です。