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《カッパ》

和田邦坊《カッパ》
水不足に悩む香川県では、ため池が数多く点在しており讃岐の現風景として溶け込んでいます。むかしは海に行くよりも手軽だったので、池で泳ぐ子供たちも多く河童と遭遇したという話も少なくありませんでした。邦坊も河童への憧れは強く「讃岐は池が多いでしょう。カッパのようなものがいる気がしてね」と話しています。実在はしないだろうと言いながらも、出没の噂を聞くとすぐに出かけて夜通し池を観察するほど好奇心をそそる存在でした。昔話で語られる妖怪は、人間らしい俗っぽい一面もありユーモアを楽しんだ邦坊にとって描きたくなる画題のひとつだったといえます。