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例の「パンドラの箱」について

パンドラの箱とは…?

企画展「讃岐の画家、和田邦坊」では、初公開資料の新聞・雑誌の切り抜きを展示しています。こちらの資料は「パンドラの箱をコロナ禍に解禁する!」と題して公開しているのですが「パンドラの箱ってなあに?」「箱は展示しているの?」などのお問い合わせが多いので、ブログで少しご紹介します。
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「パンドラの箱」とは、学芸員が便宜的に命名した箱の名前です。正式な資料名はありませんが「和田邦坊旧宅にあった資料一括(トタン箱入り)」というのが本来の名前になるかと思います。「パンドラの箱」とは、開けてはいけない秘密の箱という意味になりますが、このトタン箱にはそのような由来はありません。ただ一度開けてしまうと整理が大変な“お宝”が入っている、という意味をこめて「パンドラの箱」と呼んでいました。

コロナ禍にパンドラの箱を解禁する!


コロナ禍に翻弄された2020~2021年。美術館も休館を余儀なくされた日々が続いていました。そこで学芸員は「この時間を資料調査にあてて有意義な美術館活動をしよう!」と決意し、謎の箱を開けることにしました。箱の中は、開けてしまうと中途半端に終わらせることができない膨大な資料が眠っており、これまでなかなか開ける勇気と時間がなく…謎の「パンドラの箱」と呼んでいました。資料は、ざっくりと仕分けられていた状態でしたが、古い茶封筒を広げると雑誌の1ページをビリっと破ったもの、小さな挿絵をハサミで丁寧に切り取ったもの、新聞に掲載した漫画の束、どこに掲載されていたのか分からない雑誌の連載記事などなど、とにかく経年劣化した大量の紙片と向き合うことになりました。
ときには、トレース紙にペン入れをした生原稿やスケッチの紙束にも出会うことができました。直筆・肉筆の資料ということでワクワクしたときもありますが、点数が多すぎて終わらない旅に出かけたような憂鬱さを感じることもありました。おかげさまで2021年春、ようやく整理の区切りがつきました。



紙面をみると邦坊の自身も登場‥・

資料は以下の通り大きく2つに分けて整理することができます。
①新聞雑誌切り抜き640点 
②東京時代似顔絵のスケッチ 390点
それぞれB4ファイル15冊、10冊に収まり、1年かけてリストの作成も同時に行いました。

琴平高校のインターン生や美術館スタッフの手を借りながら大きさも計測。資料名は、記事の見出しを手掛かりにして名付けました。年代や掲載元についてのリサーチは、次の作業としていますが、今回は美術館の活動報告として整理が終えた資料の一部を公開いたします。これらの紙片は、邦坊の几帳面さが分かる資料であり、東京時代を検証する研究材料として広く活用していきたいと考えています。

おまけ


先日、久々にパンドラの箱を開けてみました

まだ眠っている資料がたくさんあります

リンク


和田邦坊画業館コレクション展vol.4
讃岐の画家、和田邦坊    
第1部 2021年5月1日(土)~7月25日(日)
第2部 2021年8月12日(木)~11月14日(日)
休館日  火曜日・水曜日 ※展示替え期間 2021年7月26日(月)~8月11日(水)        
場 所  和田邦坊画業館/灸まん美術館
入館料  一般500円、65歳以上の方・身体障害者手帳等をお持ちの方は300円  、小中高大生・無料
感染症の拡⼤防⽌のため、展覧会の中止または変更の可能性があります。 ご来館前に公式HPやお電話でご確認ください。また、マスクの着用とアルコール消毒にご協力ください。 

https://kyuman.art/event/exhibition/entry-335.html