AI邦坊プロジェクトin美術館
| 学芸室より
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香川大学創造工学部の3年生たち
香川大学と協働事業で取り組んでいる「AI邦坊」。今回は、作品の分類を学生と行いました。作品の分類…これは、非常に難しくて学芸員もいまだ頭を抱えている問題です。資料整理の全貌が掴めていない&作品のジャンルが多岐にわたる等々、とにかく資料点数も多いので日々惑うことが多いのですが、今回は頼りになるフレッシュな学生とともに楽しく課題に向き合うことができました。
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作品をカードにして整理しました
まず、印刷した作品や資料をカード形式にして「パッケージ」「文字」「プロダクト」「絵画」などに大きく仕分ける作業から始めました。これは、AIを使って統計をとるまえに人間の眼で分類を確認するという作業になります。机にカードを広げると、改めて邦坊が手掛けていた仕事の広さが分かりました。また、時代ごとに描き方も異なり、画題もその時々で変化していることも発見できました。
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次に、ジャンルを超えて似ている表現や同じような色合いをグループごとに仕分けしました。これがなかなか楽しい作業でした。似たもの同士を探すゲームのような感覚で、カードを持ってウロウロ。「それ、これに似てる」「あれ、あっちのテーブル」など情報交換しながら500点近くのカードを仕分けしました。そして、再構成した分類をみると「おお~」という圧巻の結果。確かに似た色合いが多い、あれこれと特徴が見出せそうな予感・・・!最後に、それぞれの分類に「墨黒」「ガツンとカラフル」「山」「スケッチゆるふわ」等のチーム名をつけて、この日の作業は終了。
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一気に膨大な数の邦坊作品と対峙したので、かなり体力を消耗してしまいましたが、学生も楽しみながら作品と向き合ってくれていたので、美術館の学芸員としては大変ホッとしています。明日からも資料データの集積などの作業は続くので(健康に留意しながら)楽しく調査活動をしていきたいと思います。