ユニット結成!朗読会デビューしました!
| 学芸室より
朗読会「声に出して読みたい邦坊vol.1」を開催!
先日(2022年4月25日)高松市内にある本屋ルヌガンガにて和田邦坊の作品を朗読するイベントを開催しました。当館学芸員・西谷美紀と真鍋康正氏がユニットThe Kunibous(クニボーズ)を結成し、文筆家としての和田邦坊の知られざる姿を朗読で紹介しました。企画のきっかけは、邦坊の文章の仕事を紹介したいと思いつつ、展示となると難しいなあと…と悩んでいたことが始まりです。書籍を展示したとしても表紙の装丁だけの紹介、もしくは見開き2ページだけ展示となり、文章全体の面白さは「見せる展示」には限界があると思っていたからです。そこで、声に出して読むことを思い付きました。
<和田邦坊没後30年企画>
声に出して読みたい邦坊vol.1
―文筆家としての和田邦坊を解説と朗読で―
日 時:2022年4月25日(月)19:00―20:30
会 場:本屋ルヌガンガ
定 員:15名(予約制)満員御礼でした!
The Kunibous(ザ・クニボウズ)…真鍋康正・西谷美紀による朗読・解説ユニット
ありがたいご縁とタイミングで朗読を担当してくれるストーリーテラーを発掘できたので、当館学芸員は集中して解説を担当!いわゆる定番の朗読会とは違ったスタイルだったと思いますが、作品を読んで解説コメントをいれて資料読解をするという時間を目指しました。初回で紹介したテキストは以下の4作品になります。
作品紹介
(1)名物「灸まん」の由来
…弊社の看板商品!「灸まん」に同梱されている栞の小噺。お菓子を食べる前に、食べながらぜひご一読いただきたいテキストです。秘密のエピソードを知ると、きっとお饅頭もいつも以上に美味しくなるはず!
―
(2)「世渡り問答 高橋是清の巻」
『キング』 5月号、大日本雄弁会講談社、昭和10年(1935)
…邦坊の十八番!問答シリーズを取り上げました。相手は「だるまさん」と言われていた政治家・高橋是清。2・26事件で暗殺される1年前の取材記録です。なかなか相手にしてくれない是清翁に対して、さてどんな話術で勝負したのか…。ラストスパートの追い込みのかけ方が秀逸!
―
(3)和田邦坊『世渡り問答』はしがき
大日本雄弁会講談社、昭和11年(1936)
…雑誌に連載していた記事をまとめた単行本。書き下ろしの序文を紹介しました。様々な刊行物がでていますが、どのあいさつ文もおススメしたい!「はしがき」という言葉もいいなあと思ったのですが、いかがでしょうか。私も文章を書くときに真似しようかな。
―
(4)和田邦坊『味な世の中』序
漫談社、昭和5年(1930)
…美術館の企画展タイトルにも使った表題「味な世の中」。あまり知られていない邦坊の著作物(秀作を集めたダイジェスト版の読み物集)。論語の言葉がサラッと登場するところ、が気に入っています。お天気のいい日に縁側で読み進めたい、そんな1冊です。
配布資料
イベントのふりかえり
当日の時間配分は悪くはなかったのですが、解説したいことがたくさんあって少し慌てながら進行してしてしまったので、そこは大いに反省したいと思っています。ただ、念願の朗読会ができて本当に大満足!目を閉じて真鍋さんの声に集中している参加者もいたり、熱心にメモを取り続ける方もいたり。いい時間を過ごすことができました。ユニット活動は、今後も継続していくつもりなので、また次回も張り切って準備したいと思います。次は、あれにしようかな・・・
感想コメント
参加者から感想文をいただきましたのでご紹介いたします。ありがとうございます!また会場の設営・広報活動にご協力いただきましたルヌガンガの皆様、機材提供いただいた宮脇慎太郎さん、会場風景の撮影をしていただいたゆうさかなさん、記録係の高木さんには感謝申し上げます。いつもたくさん人たちに支えられて楽しい活動ができています。感謝…!
・・・・・・・・・・・・・・
今日の朗読会、面白かったです。
真鍋社長の声が、すごく透き通っていてよかったです。
内容も飽きささない工夫があって、
楽しかった。次回も楽しみです。
・・・・・・・・・・・・・・・・
和田邦坊さんの書く文章がかなりリズムなどの「音」の心地よさを意識してつくっていることに改めて気が付かされるとてもいい機会になりました。真鍋さんの声もとても耳心地よかったのと、掛け合い部分をしっかり声色をかえて演じていらっしゃったので、「きっとお子様に絵本を読みき書かせされているので慣れているのだろうな」と感じました。合間に入る西谷さんの流暢な解説のおかげでさらに理解が深まりとても楽しい会でした。ありがとうございました。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「声」に着目していただいたおかげで、新たに「耳」で邦坊に触れることができました。
文章も邦坊さんらしく、愛嬌があり、その背景にあるさまざまな深い思考を垣間見る探究心も刺激される、そんな素晴らしいひとときでした!
・・・・・・・・・・・・・・・・
朗読会に参加して
邦坊さんに興味があり朗読会ってどんな感じだろ?と思って参加しました。邦坊さんは知れば知るほど魅力が増すのですが今回も知らない邦坊さんのエピソード、そして今まで邦坊さんが書いた文を読んだことがなく邦坊さんが書いた文を朗読という形で聞けて大変満足しております。邦坊さんが取材した著名人たち、勉強不足で知らない人もいましたが、ちょっとその方達のことも知りたくなりましたし、少し知れました。真鍋さん、西谷さん、お2人の掛け合いもよくてもっとお2人のおしゃべりも聞きたいです。とにかく西谷さんの邦坊さんの紹介、ひとつひとつのエピソードトークがとても面白く心地よく、真鍋さんの朗読も、目で読むのとは違った面白さがありました。手元に資料があるとついつい朗読聞きながら、目で読んでしまうので、何も渡されないのもいいかもしれません。昔の表現や知らないことも多いので理解できるか不安ですが。それもまた私にはよいのかもしれません。とても有意義な時間をありがとうございました。
・・・・・・・・・・・・・・・・
ユニット紹介
The Kunibous(ザ・クニボウズ)・・・真鍋康正と西谷美紀による朗読・解説ユニット。ともに焼肉部所属メンバー。「見せる展示」に限界を感じた学芸員が「朗読会をしたいよ~」とSNSで呟いたところ「読んでみたい」と手をあげたのが真鍋さん。そのまま簡単な面接&打ち合わせ&自主練を重ねて本番を迎える。ユニット名は「アスパラ大騒ぎ」「仏のアスパラ大騒ぎ」などのネーミングで話題を集める真鍋さんに命名していただきました!アーティスト風にしたかったので「The」を入れたのがポイント。