復刻しました!家庭カルタ
| 学芸室より
先日(2024年5月19日)さぬき市の向井夫妻のご来館がありました。向井さんたちは、家庭カルタのことで美術館と交流が始まった方です。このたび復刻版の完成をお知らせをしたところ企画展を見に来てくれました。向井さんはいつも面白いカルタの発見を教えてくれます。今日は「犬棒カルタってあるでしょう。この家庭カルタね、男の子の「坊や」と「犬」が歩いている絵札もあるよ。だから、これは「犬坊」カルタであり「邦坊」カルタといえるじゃないかな…」とか。なるほど~、お見事。
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関連サイト
新春2024・カルタコーナーにて
https://kyuman.art/blog/gakugei/entry-732.html
邦坊作品で繋がる思い出新収蔵作品「家庭カルタ」について
https://kyuman.art/blog/collection/entry-727.html
2024/01/18四国新聞/昭和の一こま ほのぼのと
https://kyuman.art/blog/media/entry-739.html
家庭カルタ 絵:和田邦坊 字:藤原鶴来 制作:大西脩二
家庭かるた(昭和20年代)の魅力は邦坊画伯が描いた絵札。読札の美しい文字。そして声に出したい楽しい言葉。読札はついつい声に出したくなるものばかりです。
(い)いえのうち 母さんがいて あったかい
(ろ)ろくにまだ わからぬうちに まねはじめ
(は)はりきった 姿しんから うつくしい
(に)にくらしく みえたその子が 役にたち
(ほ)ほめ上手 しかり上手は はげませる
(へ)へんぱなど しないつもりと 親はいい
(と)とう心 教えるこころ 愛がわき
(ち)ちっぽけな 種子から 天をさす巨木
(り)りんとして 霜にもまけない 花もある
(ぬ)ぬけたとこ ひとことあって 気に入られ
(る)るすばんも しまりもわすれ しゃべりすぎ
(を)をんなおや かるくみるくせ 父がつけ
(わ)わがことと おもえば仕事 おもしろい
(か)かんじんの 三つ四つを あまやかし
(よ)よい手本 ばかりでもない 家のうち
(だ)だらしない 下駄のぬぎよう あるきぶり
(れ)れんしゅうを かさねて 世界的になり
(そ)そこそこと いわれてはずむ 肩たたき
(つ)つらいめに しばしばあって 人ができ
(ね)ねんに念 いれてみがいた うでじゃもの
(な)なぎごえに 母なればこそ 耳すませ
(ら)らくがきで 文化のひくさ まざまざと
(む)むだづかい 「時間」に「灯」 「水」に「紙」
(う)うしろ指 さすひとほめる 人もあり
(ゐ)ゐどばたの 会議・議題は はずれがち
(の)のんきなと いわれるときは しあわせな
(お)おとなしい 子より正しい 強い子に
(く)くろうした かいのみえだす 四十すぎ
(や)やがてまた 姑になって いやがられ
(ま)またかっと 考えもなく またしかり
(け)けんぜんな 家庭あかるい うたがある
(ふ)ふたことめ むっとするとこ よくこらえ
(こ)こもりうた 耳から母の 愛がしみ
(え)えらぶって いてもさほど ない中味
(て)てをはなす 時期をあやまたぬ 親ごころ
(あ)あら波に うちかつ人に 育てあげ
(さ)さいそくを されない先に 立ちあがり
(き)きにくわぬ ことばだったが よいくすり
(ゆ)ゆくさきを あかるくさせる 子どもたち
(め)まにみえぬ 心その目が ものがたり
(み)みごとなは 乳母車か着物か その中か
(し)しんけんで 親切辛棒 そろった子
(ゑ)ゑがおよし 品よし根よし 良いむすめ
(ひ)ひえたころ 呑みくたびれて 父かえる
(も)もうちっと 楽な仕事と 追いまわし
(せ)せいだした 上にも工夫 また工夫
(す)すくすくと のびよ節々 わすれずに
(ん)「諾(うん)」という 返事で親も 値がきまり