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ナニコレ珍百景<追記>電柱広告の謎…

灸まんの電柱広告がナニコレに登場

2022年1月30日(日)19:00―20:00ナニコレ珍百景(テレビ朝日)で当館と参道にある灸まん本店が登場しました。ナニコレといえば視聴者投稿の「なにこれ~!」となるネタを紹介する番組。だいたい地元の人にとっては何気ない日常ですが、県外の人がみるとびっくりしたという話が多いですよね。今回は、なんと灸まんの電柱広告が「ナニコレ」で注目されることに…。取材は去年(2021年)でしたが、慣れないバラエティー番組だったので緊張しすぎてうまく話せなかった記憶しかありません。

驚きの光景!ニッポン再発見!
ナニコレ珍百景
https://www.tv-asahi.co.jp/nanikore/

邦坊が指南した電柱広告の秘密


国道319号線の電柱広告

なにこれ珍百景で紹介された灸まんの電柱広告。国道沿いに続く電柱の数多さが話題となって取材を受けました。地元に住んでいると気づきにくいのですが、確かに電柱広告は多い方かと…。事務所に確認すると500件の電柱広告を出しているそうです。私も今回の取材で初めて知りましたが500件とは…!!想像以上に多くてびっくりしました。琴平・善通寺市で働いていると電柱広告も当たり前の風景になっていました。

500件以上の電柱広告の謎?

さて、テレビでも紹介していますが、この電柱広告は、灸まんをプロデュースした画家・和田邦坊が仕掛け人です。電柱広告の数の多さに「ナニコレ!」と注目されていますが、実はその配置にも面白い工夫があります。というのも(灸まんの本店がある)琴平町に近づけば近づくほどに電柱広告の数はドンドン増えています。これは電柱広告に沿って国道を走る車に向けた琴平までの道案内のような役割があります。また、走行中にたくさんの人に目にしてもらい商品名を覚えてもらおうという作戦もあります。ちなみに、灸まんの包装紙は赤茶色ですが、電柱広告は派手な黄色の背景に黒文字で「名物灸まん」とあります。黄色と黒色の組み合わせといえば、踏切の遮断機や工事現場の三角コーンの間にあるポールなど、警告色として使われる色です。電柱広告なので危険を知らすものではありませんが、間違いなくドライバーの目にとまる色ということで、走行中でもPRできる色彩になっています。


最初は背景が黒、文字が黄色

電柱広告だけでなく巨大看板も国道にあります…


美術館の駐車場にも巨大看板

うどん屋の駐車場にも…!

たまに美術館に入った途端に「灸まんってなに?!ずっと電柱広告があるけれど、何のお店ですか?美術館の広告?」と質問されることがあります。どうやら繰り返し現れる電柱広告が気になっていたところ「灸まん美術館」にたどり着いたという観光客の方でした。思い越せば、電柱広告は「名物灸まん」としか書いていません。地元の私たちは「灸まん」が琴平のお饅頭だと知っていますが、県外の方には「名物灸まん」「名物灸まん」「名物灸まん」と続く広告は、気になるけれど何の広告か分からない…という状況になっていたようです。ただこれも邦坊の作戦のようです。気になりながらも琴平町に進み、金刀比羅参りに向かうと参道沿いに本店が登場。そこで謎が解決するという人の動きを計算した広告デザインといえます。

本店の内装・外観も邦坊のデザイン


灸まん本舗石段やは、昭和30年代に和田邦坊からプロデュースを受けています。看板商品「灸まん」の商品開発だけでなく、店舗の内装や外観、商品の売り方などもすべて邦坊のアイデアを採用しています。

和田邦坊と創業者・位野木峯夫


スケッチに同行する創業者(美術館初代館長)

邦坊が仕掛けたデザインの企みは深読みすればするほど面白いのですが…。さて、どこまで本人も想定していたのか分かりませんが①電柱広告の数②配置の場所③デザインは邦坊が手掛けたプロデュースの一環であることは間違いありません。今も変わらず灸まんの名物看板のように活躍する電柱広告。令和の時代のテレビ番組でこのように「ナニコレ?」と注目されたことは、邦坊も喜んでいると思います!

灸まんの形は香川県知事からのヒントも!!


灸まんの由来は、同梱している栞でも紹介いますが、これは邦坊が創作した噺(小金井小次郎という人物が登場する架空の物語)になります。実は「灸まん」の誕生秘話には、元香川県知事の金子正則氏も関わっています。昭和30年代、邦坊と創業者が商品開発の作戦をしていたときに、同席していた知事がどうやら手持ち無沙汰になってしまったようで、、、試作品のおまんじゅうで手遊びをしていたといいます。すると、まんじゅうの先をひねり、お灸のような形になった瞬間がありました。その形を邦坊がみて「それだ!お灸みたいな形がいい!お灸まんじゅうだ!」と閃いたというエピソードがあります。


灸まんの栞。挿絵も文書も邦坊が手掛けています。

インフォメーション


<企画展開催中>
成金栄華時代を描いた和田邦坊を紹介する美術館…
企画展・味な世の中―和田邦坊の眼差し―
第1部 2022年1月2日(日)~5月8日(日)
<休館日>火曜・水曜日
https://kyuman.art/event/exhibition/entry-415.html

(2022年1月21日現在)香川県は「まん延防止等重点措置」の実施期間にあたりますが、当館は感染症対策をして開館しております。会期中の休館日などは事前にHPやFBでご確認いただきますようお願い申し上げます。

琴平の灸まんは和田邦坊がプロデュースしたお店です


<灸まん本舗石段や>
●金刀比羅宮の参道にある土産物店。参拝のお土産には和田邦坊がプロデュースした「灸まん」をぜひどうぞ!本店には茶店も併設。
灸まん公式HP https://kyuman.co.jp/
●懐かしの琴平の味を通販でもお楽しみいただけます!
公式通販サイト https://kyuman.co.jp/shop/