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君未だ老いず―君不老―

2020年8月2日は土用の丑の日。今日も暑い1日でした。マスクも暑いし、屋内の仕事をしていても寒暖の差で体がおもだるい…。コロナのせいで気分も下降気味。ウナギを食べたら元気になれるかな…。元気をつけたいとき、食事に奮発するもよしですが、手軽にドリンク剤を飲む方も多いかと思います。私もここぞという時のためにいつも高めのドリンクをストックしています。でも今日はウナギが食べたいな。


今回は、和田邦坊が手掛けた栄養ドリンクについてご紹介します。その名も「君不老」。去年、美術館の企画展にお越しいただいた方はピンときたかもしれません。そう「君不老如花(きみおいずはなのごとし)」に似ていまね。ただ、こちらの読み方は「くんぷろう」となります。


栄養ドリンクの「君不老」は、かつて琴平町榎井にあった製薬会社が販売していた精力剤になります。元々は、琴平にゆかりある薬酒として流し樽を模した容器に入れて販売していましたが、邦坊がさらに物語を加えて「(象頭山に住む)天狗の精力酒」と銘打ち、ラベルや栞をデザインしています。社名も商品に合わせて「君不老本舗」と改めて、看板商品として売り出していました。この商品は、昭和40年(1965)に発行された『日本の伝統パッケージ』に収録され「130―君不老=薬酒ー高松市陶器の容れものはふつうだが、ふたのしかたが独特である。イグサをうまく使っている。中身は一種のリキュールで滋強飲料に属する」という解説がついています。本のなかではデザイナーの名前は記されていませんが、地域、素材、技巧などのデザイン性が評価され、写真集のように美しいパッケージの図版が掲載されています。


美術館は、由来が綴られた栞やラベルを収蔵しています。天狗が飲んでいた精力酒を人間用にアレンジして作ったという薬種。どんなパワーを得られるのでしょうか。味も気になりますが、まずは栞の文章をご一読ください(^^)

関連リンク


企画展・君不老如花―和田邦坊のデザイン― https://kyuman.art/event/exhibition/entry-122.html


長寿手帳・君不老如花(きみおいずはなのごとし)
香川県が発行する「長寿手帳」の表紙です。中央にある言葉は「君老不如花(きみおいずはなのごとし)」と書いており、邦坊の文字になります。いつまでも花のように美しく若々しくあってほしいという願いを込めた言葉です。長寿手帳は、昭和47年(1972)香川県が独自に企画した福祉手帳で、現在も同じ表紙のものが採用されています。

香川県公式HP 健康福祉部 長寿社会対策課
https://www.pref.kagawa.lg.jp/content/dir1/dir1_3/dir1_3_4/wfssqo160912152905.shtml